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第4回 技術開発・共用部門オープンセミナー ~MDPF利活用事例紹介シリーズ[MInt]~開催(11/5)

NIMSデータ中核拠点事業(MDPF)によるオープンセミナーが11月5日(火)に開催されます。
以下の通りご案内申し上げます。
MDPF利活用事例紹介のシリーズでは、NIMSデータ中核拠点(MDPF)が提供するDICEサービスのユーザを講師にお招きし、各サービスをどのように利用し、新しい材料の発見や研究の効率化につながったかについてご紹介いただきます。
MIntをはじめとしたデータサービス、材料データの利活用に関心のある方々を広く対象にしたオンラインセミナーです。
皆様のご参加をお待ちしております。

 

【タイトル】AIと専門家のコラボで耐熱材料を強くする : AIの奇抜な「手」から納得の熱処理法を考案

 

【日時】11月5日(火) 15:00-16:00

 

【開催方法】オンライン(Microsoft Teams)

 

【講師】出村 雅彦 (NIMS 技術開発・共用部門 部門長)

 

【内容】
 AIと材料研究者の協働により、Ni-Al合金の高温強度を向上させる新たな熱処理法を開発した研究成果について紹介する。本研究では、AIが提案した膨大な熱処理パターン群を材料研究者が分析することで、材料学的な知見に基づく最適な二段熱処理法を考案した。これは従来の等温熱処理法で得られるものよりも高い高温強度をもたらすものである。
 Ni-Al合金は、耐熱性に優れたγ相とγ'相から構成され、高温強度を向上させるにはγ'相のサイズと体積率を制御することが重要である。実験には時間とコストがかかるため、これまで等温熱処理で時間と温度を最適化されてきた。本研究では、マテリアルズインテグレーションの考え方に沿って、(1)熱処理から高温強度を予測する計算ワークフローを構築し、(2)これをモンテカルロ木探索というAIアルゴリズムと組み合わせることで、自由な熱処理パターンの中から最適なものを探索した。その結果、従来の等温熱処理を超える110通りの熱処理パターンが発見された。さらに、このパターンを分析して得られた知見をもとに二段熱処理法を考案した。具体的には、高温で短時間γ'を成長させた後、低温で長時間成長を抑制しながら体積率を増加させることで高温強度を向上させるという方法である。
 講演では、マテリアルズインテグレーションの考え方やこれを具現化したMIntシステムについても紹介する。

 

【参考論文】
(ア) Nandal, V., Dieb, S., Bulgarevich, D. S., Osada, T., Koyama, T., Minamoto, S., & Demura, M. (2023).
"Artificial intelligence inspired design of non-isothermal aging for γ-γ′ two-phase, Ni-Al alloys" Scientific Reports, 13(1), 12660.

https://mdr.nims.go.jp/concern/publications/5712mf013?locale=en

(イ) Osada, T., Koyama, T., Bulgarevich, D. S., Minamoto, S., Osawa, M., Watanabe, M., Kawagishi, K., & Demura, M. (2023).
"Virtual heat treatment for γ-γ′ two-phase Ni-Al alloy on the materials Integration system, MInt"
https://mdr.nims.go.jp/concern/publications/12579w45x?locale=en

 

【関連リンク】
DICE (ダイス)
MInt

 

【申込方法】
事前登録が必要です(参加費無料)。以下のURLよりお申込みください。
https://events.teams.microsoft.com/event/6bdaadd1-c3c0-4739-a251-a5a58985822e@dca88378-b099-4193-9bb0-dfd0fa1bba75

 

【お問い合わせ先】
NIMS 技術開発・共用部門
材料データプラットフォーム(MDPF) 運営室
E-Mail: mdpf-pr=ml.nims.go.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください)