ベイズ情報量規準に基づいたXPSスペクトルの自動ピークフィット。
XPSスペクトルデータを入力し、自動的にピークフィッティングを実施するテンプレートです。この手法では、XPSスペクトルが与えられたときに最大155通りの様々な個数のピークを含む解を生成し、ベイズ情報量規準(BIC)の評価値に基づいて解のリストを出力します[1]。このツールは以下の条件に基づいて解をフィルタリングし、選択された解を出力します。
- モデル関数は、畳み込みVoigt関数(もしくは擬似Voigt関数)の線形和とバックグラウンド関数との和とします。Voigt関数のバリエーションについては後述します。
- 通常はShirleyバックグラウンドを仮定したフィッティングが実施されますが、その解が見つからない場合は直線バックグラウンドを仮定したフィッティングが実施されます。
- XPSの分解能を考慮し、全てのピークの半値半幅が0.1 eV以上の解のみを選択します。
- 同じピーク本数の解が複数ある場合、BIC値が最も小さい解を選択します。
- 選択された解をBIC値の小さい順にランク付けします。
- BIC値でランク付けした上位5件のピーク本数を基準にして、それより多いピーク本数を持つ解は複雑すぎるとして除外します。
畳み込みVoigt関数はガウス関数とローレンツ関数の畳み込み積分で表現される関数であり、一方擬似Voigt関数はガウス関数とローレンツ関数の線形和で表現される関数です。原理的には畳み込みVoigt関数を用いることをおすすめしますが、擬似Voigt関数による解析は処理が簡易的で高速でありそちらにも対応しております。
開発協力: 篠塚寛志(NIMS 技術開発・共用部門 材料データプラットフォーム データ活用ユニット)
[1] H. Shinotsuka, H. Yoshikawa, R. Murakami, K. Nakamura, H. Tanaka, K. Yoshihara, Automated information compression of XPS spectrum using information criteria, Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 239 (2020) 146903. https://doi.org/10.1016/j.elspec.2019.146903
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スペック
項目 | 説明 |
---|---|
用途 | XPS解析 |
実験装置の手法の名称 | XPS |
ファイルを出力する実験装置の機種 | QanteraSXM |
ファイルのフォーマット | アルバックファイ独自フォーマット |
ファイルの拡張子 | spe |
メタデータの抽出方式 | ファイル内容からのメタデータ抽出 |
メタデータ抽出結果の標準メタへのマッピングの有無 | なし |
メタデータを記述する略語を判読性に優れた専門用語に変換する作業の有無 | なし |
メタデータのvariable構造の有無 | なし |
可視化の有無 | あり |
可視化の種類 | pptの可視化 |
データ解析の有無 | あり |
データ解析の特徴 | スペクトル分解 |
データ登録方式 | インボイス |
データ入出力方式 | 1回のデータ登録操作で1ファイルから1タイルを生成 |
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XPS_BICfitting 1.0 [NIMS_DTx017]
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